「腰椎」の疾患

変形性腰椎症

腰椎は骨と骨の間に椎間板と呼ばれるクッションの役割をした軟骨があり、この椎間板が頸椎のスムーズな動きをサポートしています。
加齢や負担の蓄積により椎間板が変性し、骨に直接負担がかかることで骨が変形していくことで変形性腰椎症が発生します。

原因

加齢や重労働などの慢性的な腰への負担が原因となります。

症状

腰部の痛みや動かしにくさを感じます。特に腰を後ろに反らす動きで痛みが強くなります。

治療

投薬、注射、コルセット、暖めるといった物療療法などを併用し治療します。リハビリでは必要に応じて体幹部の筋力強化や柔軟性を高める運動指導を行います。

胸腰椎圧迫骨折

胸腰椎圧迫骨折とは、背骨(胸椎または腰椎)がつぶれるように骨折する状態で、特に高齢者や骨粗しょう症のある方に多くみられる骨折です。「いつのまにか骨折」と言われるように転倒や軽い衝撃でも骨がつぶれてしまい、腰や背中の強い痛みを引き起こすことがあります。また一つ骨折が起きると複数の骨折が生じる可能性があり、注意が必要です。

原因

骨粗鬆症、転倒やしりもち、重い物を持ち上げる等の行為が原因になります。

症状

急激で動けないほどの背中や腰の強い痛み。背骨が変形して丸まり、身長が低下することがあります。

治療

基本的には安静で骨が固まるのを待ちます。その間、投薬、注射などで痛みをコントロールします。また専用のコルセットの着用や物療療法などを併用し治療します。痛みが落ち着いたらリハビリで筋力や体のバランスを回復させ寝たきりや活動レベルの低下を防ぎます。
痛みが強い場合や脊髄の麻痺が生じた場合は手術を行うことがあります。
骨粗鬆症の予防、治療が重要になるので当院では適宜骨密度の検査、治療を行っていきます。

腰椎椎間板ヘルニア

背骨(腰椎)の間にある椎間板という軟骨組織が外力などにより飛び出し、後方にある脊柱管の神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こす病気です。

原因

加齢や遺伝により椎間板が変性して弱くなっているところに、外力がかかることでヘルニアが生じやすくなります。

症状

急激で動けないほどの背中や腰の強い痛み。背骨が変形して丸まり、身長が低下することがあります。初期は強い腰痛を感じます。神経が障害されると下肢の痛みやしびれ、感覚低下が生じます。さらに進行すると足の筋力低下や歩行障害、排尿障害などが生じます。

治療

投薬、注射、物療療法、運動療法などを併用し治療します。保存療法が無効な場合は手術が必要になることがありますが、ヘルニアは自然に吸収されることも多いため一人一人の症状に併せて最善の治療を選択していきます。排尿障害などが生じた場合は早期の手術が検討されます。

腰部脊柱管狭窄症

背骨(腰椎)の中を通る「脊柱管」という神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで、腰や脚にさまざまな症状が現れる病気です。特に中高年以降の方に多く発症します。

原因

加齢により骨の変形や椎間板が変性し、背骨の関節や靱帯が厚くなったりして、脊柱管が狭くなり神経の通り道が圧迫されます。

症状

歩いていると脚がしびれたり痛くなったりして立ち止まり、少し休むとまた歩けるようになる間欠性跛行は特徴的です。
また立っていたり反る動作で悪化し、前かがみになると症状が軽くなるのが典型的で、自転車に乗る姿勢はあまり苦痛は感じません。
神経が障害されると下肢の痛みやしびれ、感覚低下が生じます。さらに進行すると足の筋力低下や歩行障害、排尿障害などが生じます。

治療

投薬、ブロック注射、物療療法、運動療法などを併用し治療します。保存療法が無効な場合は手術が必要になることがあり、排尿障害などが生じた場合は早期の手術が検討されます。

腰椎すべり症・分離症

腰椎すべり症・分離症は、腰椎(腰の背骨)がずれたり、疲労骨折によって骨の連続性が失われることで、腰痛や脚のしびれなどを引き起こす疾患です。10代のスポーツ選手や中高年の方に多く見られ、それぞれ別の原因で起こりますが、どちらも神経の圧迫によって症状が出ることがあります。

原因

野球やバスケ、体操等の成長期のスポーツや繰り返しの負担や、加齢による変性や骨の劣化で生じます。

症状

慢性的な腰痛、特に腰を反らすと痛みが強くなるのが特徴的です。
すべりの部分で脊柱管が狭くなることで脊柱管狭窄症の症状を起こすことがあります。

治療

投薬、注射、装具の着用、物療療法、運動療法などを併用し治療します。若年者のスポーツによる疲労骨折が原因の場合はスポーツの休止も重要になります。
保存療法が無効な場合は手術が必要になることがあります。