「肩関節」の疾患

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)

肩関節周囲の炎症によって引き起こされる肩関節が固まる疾患です。

原因

肩関節周囲炎のはっきりとした原因はわかっていませんが、加齢や肩関節への過度な負荷が関係していると考えられます。
また、長期間動かさないことで肩周囲の組織が固まり、症状が悪化することもあります。

症状

肩が固まっているため、動かす時の痛みや夜間痛、肩の動きが悪くなります。
痛みは徐々に強くなり、次第に関節の動きが制限される「凍結肩」と呼ばれる状態に進行することがあります。

治療

固まった関節を柔らかくするためのストレッチなどの運動器リハビリテーションが重要です。
リハビリを進めるために投薬や注射、物理療法などを組み合わせて行います。

腱板断裂

腱板(けんばん)とは、肩の関節を安定させ、腕をスムーズに動かすための4つの筋肉と腱の総称です。
この腱板が部分的、あるいは完全に切れてしまった状態を「腱板断裂」と呼びます。
中高年の方に多く、放っておくと肩の機能が大きく損なわれることがあります。

原因

加齢による変性や外傷、繰り返しの負荷などが原因になります。

症状

動かすときや夜間の肩や二の腕の痛み、長期間続く運動制限や肩の筋力低下などの症状が出現します。
初期には四十肩・五十肩と似た症状を示すこともありますが、腱板断裂は自然治癒しにくいため、早期診断が重要です。

治療

腱板断裂の治療は、断裂の程度や年齢、日常生活への影響に応じて選択されます。
まずは投薬や注射、リハビリなどの保存的療法を行います。
完全断裂や保存療法で改善しない場合は手術が必要になり、術後リハビリも重要になります。
当院では、MRIやエコーなどによる精密検査を行い、患者様の状態に最適な治療をご提案しています。
肩の痛みや動きに違和感がある方は、お早めにご相談ください。

反復性肩関節脱臼

肩関節は体の中でも特に動く範囲が広く、その反面、不安定になりやすい関節です。
「反復性肩関節脱臼」は、一度脱臼した肩がその後も繰り返し外れてしまう状態を指します。特に若年層のスポーツ選手に多く見られますが、放置すると日常生活にも支障をきたすことがあります。

原因

初回の脱臼で関節を支える靱帯や軟骨(関節唇)が損傷し、関節の安定性が低下します。

症状

関節の安定性が損なわれているため、ちょっとした動作で脱臼しやすくなります。脱臼を繰り返すことで痛みや不安定感が生じます。

治療

まずはリハビリを行い、肩関節周囲の筋力を強化し、肩の安定性を高めます。
それでも脱臼を繰り消したり、スポーツ復帰を目指す場合は手術が必要になります。

変形性肩関節症

肩関節に継続的に負荷が加わることで、肩関節の軟骨がすり減り、骨どうしが直接こすれ合うことで痛みや動きの悪さを引き起こす疾患です。
加齢に伴って徐々に進行し、中高年の方に多く見られます。

原因

加齢や過去の外傷、腱板断裂による肩の不安定性などが原因になります。

症状

痛みや違和感、腕が上がらないなど肩の動きが悪くなります。

治療

まずは投薬、注射、リハビリなどの保存療法を行います。
改善がない場合は手術も検討しなくてはなりません。

石灰沈着性腱板炎

石灰沈着性腱板炎は、肩の腱板(肩を動かすための筋肉の腱)にカルシウム(石灰)成分がたまり、それが原因で炎症や強い痛みを引き起こす病気です。
突然の激しい肩の痛みで発症することが多く、特に40〜60代の女性に多く見られるのが特徴です。

原因

石灰沈着性腱板炎の原因は、はっきりとは解明されていません。石灰が沈着していても無症状のこともあり、何らかのきっかけで急激に炎症を起こすことで痛みが現れます。

症状

石灰が溶ける時に非常に強い炎症が起こり、突然の激烈な痛みが生じることがあります。痛みのために腕が上がらなくなることがあります。

治療

まずは投薬や注射で炎症を抑えて痛みの軽減を図ります。石灰が残ってしまう場合はエコーを用いた注射で吸引したりします。

上腕骨近位端骨折

上腕骨近位端骨折とは、肩に近い部分の上腕骨(腕の骨の上部)が折れる骨折です。特に高齢者が転倒した際に多く起こる骨折で、骨粗鬆症を伴っているケースも少なくありません。

原因

転倒など外力により起こります。

症状

肩関節周辺の強い痛みがあり、痛みのために腕が動かせなくなります。

治療

治療は骨折の程度やズレの有無、患者さんの年齢・活動レベルに応じて保存的治療と手術が選択されます。

肩関節脱臼

肩関節脱臼とは、肩の関節(上腕骨の先端)が正常な位置から外れてしまう状態です。関節の構造上、肩は人間の体の中で最も脱臼しやすい関節です。
スポーツや転倒による外傷で起こることが多く、早期の整復と適切な治療が大切です。

原因

転倒などスポーツの衝撃などの外力により起こります。

症状

肩関節周辺の強い痛みがあり、痛みのために腕が動かせなくなります。

治療

肩関節脱臼の治療は「整復」「安静」「リハビリ」を段階的に行います。
まずは早期の整復が何より重要になります。

鎖骨骨折

鎖骨骨折とは、胸と肩をつなぐ「鎖骨」が折れてしまう骨折です。

原因

バイクや自転車からの転倒やスポーツ中の衝突などの外力により起こります。

症状

肩から胸にかけての激しい痛みや骨折部の変形が見られます。

治療

鎖骨骨折の治療は、骨のずれの程度や年齢、日常生活への影響などに応じて保存的治療と手術が選択されます。